痛烈なライナーが野手の正面を突いてアウト。ボテボテのゴロが内野の間を抜けてヒット。打率はこの2つを「凡退」と「安打」としか記録しない。でも打者がコントロールできるのは「どんな打球を打つか」までで、その先は運と守備位置の問題だ。
xBAは、この「結果」ではなく「打球の質」から打率を再構築する。
xBAの仕組み
Statcastは全打球の**打球速度(Exit Velocity)と打球角度(Launch Angle)**を計測している。過去の膨大なデータから「速度98mph・角度12度の打球は安打になる確率○%」という対応表が作れる。
xBAは、打者の全打球にこの確率を割り当てて合計し、打率と同じスケールに直したものだ。三振はゼロとして計算に入るので、三振が多い打者はxBAも下がる。
打率とxBAのギャップの読み方
| 状況 | 解釈 |
|---|---|
| 打率 .310 / xBA .270 | 打球の質以上に打てている。翌年の打率下落に警戒 |
| 打率 .240 / xBA .280 | 内容は良いのに結果が出ていない。買い時の可能性 |
| 打率 ≒ xBA | 実力通りの結果 |
このギャップの多くはBABIP(インプレー打球の安打率)の振れで説明できる。xBAはBABIPの「運の成分」を打球データで直接補正しにいく発想と言える。
使うときの注意
xBAは「守備シフト」や「球場の広さ」を考慮しない。また足の速い打者は内野安打でxBAを常に上回り続けることがある。つまり xBAと実打率の乖離=すべて運 ではない。
それでも「打率が急上昇した打者は本物か」を確かめる一次チェックとしては最も手軽で強力な指標だ。MLB公式のBaseball Savantで全選手のxBAが無料公開されている。